電気・電子情報関連産業における特定技能外国人の受入れ

 電気・電子情報関連産業での特定技能外国人の受入れ基本的なポイントをご紹介いたします。ご参考になれば幸いです。

【関連リンク:経済産業省HP】特定技能外国人制度(製造3分野)

1 受入れ事業所が「電気・電子情報関連産業」であることを確認
 以下の業種が日本標準産業分類における特定技能外国人を受入れ可能な「電気・電子情報関連産業」となります。

・電子部品・デバイス・電子回路製造業
・電気機械器具製造業(ただし、内燃機関電装品製造業及びその他の産業用電気機械器具製造業(車両用、船舶用を含む)を除く)
・情報通信機械器具製造業

 上記の中から、「直近1年間に製造品出荷額等が発生している業種」が特定技能外国人を受入れることが可能な事業所(会社)となります。この「製造品出荷額等」ですが、他社から半製品などを仕入れて加工、処理をして得た収入(加工賃)を含みますが、製品を修理して得る「修理料収入」は出荷額としては認められませんので注意が必要です。

2 特定技能1号外国人が従事する業務を確認
 以下の業務に特定技能1号外国人は従事する事が出来ます。

・機械加工    ・機械保全      ・塗装
・金属プレス加工 ・電子機器組立て   ・溶接
・工場板金    ・電気機器組立て   ・工業包装
・めっき     ・プリント配線板製造 ・仕上げ
・プラスチック成型

 原則、特定技能外国人に就業してもらいたい事業所が、上述の「1.電気・電子情報関連産業」であり、その事業所の製造工程に上記の業務が含まれていれば、特定技能外国人受入れ可能事業所(業種・業務区分は要件を満たしている。)となります。
 特定技能1号外国人が従事する業務は、「相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務」となります。したがって、技能実習2号の方が従事していた業務とは異なり、また、その技能を幅広く活用する事が望まれます。例えば、「機械加工」であれば、フライス盤やNC旋盤を使用したり、各種切削工具を用いて金属加工をしたりと「総合的、横断的な職務内容」が望まれます。フライス盤加工のみにずっと従事する事はできません。

3 特定技能1号外国人の待遇
 同じ業務・職責に従事する日本人と同等以上の給料が要求されます。また、社会保険、福利厚生、安全衛生、研修教育、有給休暇なども同等以上の待遇となります。雇用形態は直接雇用となり、派遣形態は認められていません。
 尚、電気・電子情報関連産業では、特定技能2号を受け入れることはできません。

4 受入れ事業所(会社)が各種法令を遵守していること
 弊所HP「申請における留意点」に、受入れ企業が遵守すべき事項を紹介しています。ご参考にしてください。
5 特定技能1号外国人の要件
 
・製造分野特定技能1号評価試験の合格者
・国際交流基金日本語基礎テスト、又は日本語能力試験(N4)の合格者

 技能実習2号又は3号(特定技能外国人が従事する業務と関連のある業務を終了したもの)を良好に終了した外国人の方は、上記試験が免除されます。
 また、関連性のある業務の終了の有無にかかわらず、技能実習2号・3号を良好に終了した外国人は、日本語試験が免除されます。

 「技能実習の業務と特定技能1号の業務に関連性があるかどうか」は以下の表でご確認ください。


技能実習2号移行対象職種と特定技能1号業務
6 製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に加入
 この協議会・連絡会には、特定技能外国人を受け入れる企業は必ず加入することになります。入会費や年会費はかからないことになっています。
 入会は、在留資格申請前に行う必要があります。入会審査は1~2ヵ月ほどかかります。この協議会・連絡会では、構成員の連携により、特定技能制度や情報、法令、地域状況、対応などの周知をはかる情報交換の場となります。また、協議会より、指導、資料要求、現地調査などに協力する必要があります。

7 特定技能外国人の転職について
 特定技能1号外国人は、転職することが可能です。しかし、作業できる業務が決まっているので、その業務範囲での転職となります。
例えば、

A会社(電気・電子情報関連産業)
B会社(素形材産業)
C会社(産業機械製造業)

A会社で「仕上げ」に従事→B会社で「仕上げ」に従事
A会社で「仕上げ」に従事→C会社で「仕上げ」に従事

 このような転職が可能です。転職の場合には、必ず入国管理局への申請や届出が必要です。